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2007年4月23日 (月)

■アウトサイダー・アート

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だいぶ前から売られていた本ですが、突然気になって買ってしまいました。
アウトサイダー・アートとは正規の美術教育を受けていない人によるアートで、伝統や流行に左右されず、自身の内的衝動からのみ描かれているところが素晴らしいのです。
アウトサイダーアートで一番有名なのはヘンリー・ダーカーで、日本人で有名なのは山下清でしょうか。

しかし、現代のアートは表現が多彩ですから、アートをやるのに必ずしも正規の美術教育は必要ありません。
ですので、アウトサイダー・アートと正規の美術を区別するのは、「本人が美術のつもりで描いたかどうか」と言うことです。
アウトサイダー・アートは、スラム街の老人とか、精神病患者とか、引きこもりの交霊術師とかが、アートのつもりもなく描いた作品を、美術の素養のある第三者がアートとして発見することで生じるのです。
アウトサイダー・アートは英語読みで、フランスでは「アール・ブリュット」と呼ばれ、これは「生の芸術」という意味です。
何が生(なま)なのかと言うと、アートのつもりがない人が描いたものは、そのままではアートにはなり得ないということです。
知識のある第三者がそこにアートの価値を認めることで、美術館に展示されたり、画集になったりと「調理」されるようになるのです。

アウトサイダー・アート(アール・ブリュット)は、デュシャンのレディ・メイドと同じく「アートはそれを価値付ける人によって創造される」という事例のひとつであって、ぼくはそういうのをちょっと探していたのです。

あと、欧米は階層社会ですから、社会階層が不明瞭な日本とはアウトサイダー・アートの捉えかたも違うはずです。
例えばオタクの作家の絵がアートとして取り上げられることがありますが、あれがアウトサイダー・アートなのかどうかはかなり微妙です。
オタクは学歴は決して低くなく、アカデミックなデッサン力も身につけていますら、その意味でアウトサイダーではありません。
しかしアートのつもりがなく、アート以外の目的にものすごい情熱をつぎ込んで製作し、それが作品に異様な迫力を与えているところは、アウトサイダー・アートと共通してるのではないでしょうか?

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