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2007年5月25日 (金)

『人間は遺伝か環境か?遺伝的プログラム論』

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日高敏隆さんの本は、ページ数が住むないのに内容が濃いので素晴らしいです。
遺伝的プログラムというのは、どういうものかというと・・・

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例えば、このコガタスズメバチはヒノキの樹皮を齧り取り、巣材を集めています。
「樹皮を齧りとって巣材にする」というのは、コガタスズメバチに書き込まれた「遺伝的プログラム」で、このハチもそれに従って行動しています。
しかし、具体的にどこに生えている何の木の樹皮を巣材にするのか、というところまでは遺伝的プログラムでは決まっていません。
だから、このハチも気まぐれとか成り行きによって、「この場所に生えている木」で巣材を集めています。
こうした生物の行動は「遺伝的プログラムの具体化」と呼ぶそうです。

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これは種類が違うムモンホソアシナガバチですが、樹皮ではなく、木の葉の表面の繊維を巣材にします。
これも遺伝的プログラムに決まっていることで、だからスズメバチのように樹皮を巣材にすることは、絶対にないのです。
でも、どこに生えているどの木の葉を使うかという具体的なことまでは、遺伝的プログラムでは決まってません。
遺伝的プログラムは大まかな枠組みであり、遺伝的プログラムの具体化は、その時々の環境に左右されるわけです。

で、人間も同じように、人間固有の絶対普遍の遺伝的プログラムを、様々な形で具体化しながら生きている・・・そういう風に考えると、いろいろ見えてくるものがあるんじゃないでしょうか?とか、そんな感じです。

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