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2007年6月28日 (木)

『上司は思いつきでものを言う』

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ぼくはサラリーマンを中途半端で早々にやめてしまったりで、世の大半を占める「サラリーマン」がどういうものかほとんど知らないのですが、それだけにこういう本はたいへん為になります。

「上司は思いつきでものを言う」とはつまり、目に見えない隠れた「構造」であって、そうしたものに人々は知らないうちに突き動かされているわけです。
世の中の多くの問題とされる事柄は、それが問題なのは何となく分かるのだけど、モヤモヤして捉えどころがない、と言う理由で解決困難に陥ってます。
そんななか、その問題に潜む「構造」をズバリ言い当て、その「構造」を軸に問題を解決しようというのが「構造主義」です。

ぼくはこの構造主義に興味があって、いくつか入門書を読んだのですが、どの著者も「構造主義は主義ではなく、問題解決のための実践的な道具である」というようなことを書いてます。
じゃあ、構造主義は具体的にどんな風に使われているのか?などと思っていたのですが、最近いろいろ本を読み出すと、けっこういろんな人が構造主義の手法を実践して本を書いていることに気付くのです(今さらですが)。
橋本治さんだけでなく、養老孟司さんや、内田樹さんなど、最近ぼくがハマってる人はみんな「構造主義」の見事な使い手なのではないかと思います。
でも、手法としての構造主義はもはや当たり前なので、どの本にも「構造主義」の言葉は一言も出てこないわけです。

で、「上司は思いつきでものを言う」ですが、実際この「構造」のおかげで、ここ一年間モヤモヤしてた自分の身に起きたトラブルが、一気に解消してしまったのです。
実は昨年、ある出版社から「ぼくの写真集を出す」ということになっていました。
それが、編集を終えた入稿直前の段階で「企画中止」と言われたのです。
で、ぼくはその意味が分からずどう対処して良いのか分からなかったのですが、それがまさに「上司は思いつきでものを言う」にふりまわされた結果だったのです。
この場合振り回されていたのは「編集者」で、思い付きを言う上司に当るのは「営業」で、ぼくはそのとばっちりを受けたのです。
この編集者とは気が合って、ぼくの意図を理解してくれながら企画を進めていたのですが、サンプルを営業に見せると「写真だけの本は売れないからもっとイラストを入れてくれ」とのことで、それではダサい本になるのは目に見えているから、なんとか営業を説得しつつ、写真主体のサンプルを作りOKをもらったのです。
それが編集作業を全部終えた入稿直前に、「営業がサンプルを持って書店周りをしたら”こんな本じゃ売れない”と言われた」という理由で、企画中止になったのです。
書店に「売れない」と言われるのは仕方ないですが、じゃあなぜもっと早い時期に書店にリサーチしなかったのか?入稿直前になってリサーチし企画中止にするのはおかしいではないか?などと思っても仕方ありません。
全ては「上司は思いつきでものを言う」という「構造」のせいだったのです。
問題が「構造」にあるのであれば個人を責めても仕方がないので、「まぁ、しょうがない」でスッキリあきらめることができます。
あきらめてスッキリすれば問題は解消で、それこそが「構造主義」の実践的応用です。
いや、「本当に構造主義が分かってる」と言う人から見て、ぼくの解釈が正しいかどうかは分かりませんが(笑)。

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