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2008年6月29日 (日)

「東京昆虫デジワイド」

カメラ雑誌「デジタルカメラマガジン」2007年10月号の「デジタルリレーGallery」という連載コーナーに掲載されたテキストを再掲してみる。
このコーナーは「笑っていいとも」みたいに掲載作家が次の作家を紹介していくコーナーで、ぼくは湊雅博さんに紹介され、緒方範人くんを紹介した。
長期にわたる連載だったが、今年になっていつの間にか終わってしまっていた・・・

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「東京昆虫デジワイド」

「東京に幽霊が出る。トマソンという幽霊である。」とは赤瀬川原平さんの『超芸術トマソン』の冒頭部分だが、ぼくはその影響から東京でトマソンを探しな がら、また別の幽霊である「昆虫」を発見してしまった。
例えばこの写真は、新宿東口駅前の花壇にいた「セマダラコガネ」という昆虫だ。
しかし行き交う人は 誰もその存在に気づかず、まさにぼくだけに見える「幽霊」のようなものだ。
実は東京には、花壇をはじめ庭や空き地や道端に、たくさんの植物が生えている。
植物があればそこに昆虫や鳥たちが住みつき、そうやって都市環境に適応した独自の生態系が出来上がる。しかし人々には「都市には自然はない」という先入観 があるから、都市の生態系そのものが、幽霊なのだ。

そんな東京の幽霊=昆虫を撮ったぼくの写真は、心霊写真のようなものだろうか。
心霊写真は思わぬところに幽霊が写っているものだが、東京の昆虫も思わぬ 場所に出現するから面白い。
しかし普通のマクロレンズで昆虫のアップを撮ると、背景がボケてどんな場所にいるのかが表現できない。
だから昆虫ををアップに しながら、遠景までの全てにピントの合った写真を撮る必要があった。
それでコンパクトデジカメの特性を活かした「デジワイド」という手法を開発し、その成 果が先ごろ『東京昆虫デジワイド』という一冊の写真集となった。
これを見れば、東京の昆虫が幽霊ではなく実体であることが、リアルに感じられるだろう。
東 京という街は、その気になれば昆虫観察も出来てしまうような、まさに「何でも有り」の先進都市なのだ。

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コメント

こういうときはトラックバックというのを使うのだろうなというのはなんとなくわかるんですけど、どうしていいのかわからないので、とにかくトラックバックです。

投稿: 山方 | 2008年7月 2日 (水) 00時52分

ぼくも実はトラックバックの意味というか利点がよく分からず、路上ネイチャーのほうはオフにしてあります・・・

他人のブログに書かれた内容について、自分のブログに何か書くなら、引用文をコピペして、アドレスをリンクして引用元をハッキリさせておけば問題ないハズです。

投稿: 糸崎 | 2008年7月 2日 (水) 01時04分

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