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2010年4月26日 (月)

新しい「ブログ4(名称未定)」

試験運用中だった新しい「ブログ4(名称未定)」を公開することにする。
http://d.hatena.ne.jp/itozaki/

コンセプトとしては、これまでの自分の実績、フォトモとかツギラマとか路上ネイチャーとか非人称芸術などを方法論的に「なかったこと」にして、全くのゼロから写真家を目指すブログである。
これは、このブログでたびたびアップしていた「普通の写真」の発展型で、ともかくこれまで自分が排除し、否定してきた「写真」というものについて、さらにきちんと知ってみたいと思うようになったのだ。

ぼくは「写真」というものを否定することで「フォトモ」や「ツギラマ」など独自の表現を見出すことができたのだが、あらためて考えると「写真」というものをよく知らないままに否定していたのであって、これは根拠として弱いのではないか?ということがだんだんと自覚されてきたのだ。

ぼくがこれまで採用した方法は、「写真」についての意図的な情報のシャットダウンであり、江戸時代の鎖国のようなつもりもあった。
これはオリジナルのアイデアを見出すための「一つの方法論」かもしれないが、そのやりかたを「普遍的」と考えるのは間違いだろう。
つまり「鎖国」は一定期間することに意味があるのであり、永遠に鎖国することはナンセンスだ。

言い方をかえると、人によっては人生の途上で「引きこもり」になることが必要だったとしても、引きこもりの経験を役立てるには引きこもりを脱する必要があり、永遠に引きこもることに意味はない。
実はぼくは「写真」を学ばず、以外の知識(現代思想や生物学など)を仕入れることで、「写真の外側」に立っていたつもりだったのだが、ふと気がつくとその状態は「自分の内側」に閉じこもっているだけなのだった。
ということで自分は「鎖国」を解いて、闇雲な写真の否定を脱しなければならないのだ。

「鎖国を解く」とはどういう事かというと、単純に「何でも受け入れる」言うわけにはいかない。
江戸時代の日本も鎖国を解いて何でも受け入れたわけではなく、言ってみれば「近代」という新たな思想に鞍替えしたのである。
つまり「鎖国を解く」とは、新たな思想(宗教)に鞍替えし、その中にこれまでの自分たちの文化を位置づけることだと言える。
だからぼくも「鎖国」を解くからには「写真」という思想(あるいは宗教)に鞍替えし、その中にあらためて「フォトモ」や「ツギラマ」を位置づけることになるかも知れない。

いや、そこまで考えるのはまだ先の話だが、ともかくぼくはこれまで否定した「写真」というものを、一転して「まるごと」受け入れることを試みているのだ。
つまり「写真」というものに対し何の疑問を持たず、無前提にそれは「ある」ものとして受け入れ、その内部の方法論や考え方に素直に従おうとしている。
これまでの自分は「写真」をきちんと学ぶ前に「写真」というものに疑問を呈し、それに反発し否定してしまっていたが、その態度を反省し、今度は全く「逆」のことをしようとしている。
それが「写真を学ぶ」ということで、学の基本は「真似る」ということで、真似て学ぶためには「写真」の何もかもをまずは受け入れなくてはならない。

ただ、ぼくの「フォトモ」や「ツギラマ」のコンセプトには「写真の否定」が含まれているから、「写真」を学ぶ上ではこれが邪魔になる。
しかし、そのようなこれまでの自分の実績を全否定してしまうのもナンセンスなので、だから「方法論的になかったことにする」という考えを採用したのだ。
これは自分の中に「異なるOS」をインストールするようなもので、一つのパソコンでMacとWindowsの異なるOSを適宜切り替えながら使うようなものである。
自分の中に「写真の否定」を保持したまま、その考えを切り替え、つまり方法論的になかったことにして、心を新たにして「写真」について学ぼうというのである。

ともかく新たな「ブログ4(名称未定)」では、いろいろな写真家の意見を参考にしつつ、ともかく「人真似」をして学んでいこうと試みるつもりだ。
その結果、結局は「写真」として良い作品が全く撮れなかったとしても、その比較によって他人の「良い写真」は分かるようになるかも知れない。
ともかく今の自分は「写真の良し悪し」さえ分からない状態で、そこから脱する手段として「実践」は有効であり、そのつもりでちょくちょく撮っていこうと思っている。

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