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2010年4月13日 (火)

デカルト『方法序説』

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『旧約聖書』は「サムエル記Ⅰ」まで読み終えた。
しかし、どうも読んでて面白くないし、役に立つような内容でもないので、途中で他の本も読んだりしてる。

そのうちの一冊がこれなのだが、とある美術家のセンパイが「自分が若い頃はデカルトの『方法序説』はみんな読んでないのに、今は誰も読んでない」と言ってたので、さっそく読んでみたのだ。
「我思う、ゆえに我あり」で有名な本だが、薄い本で文字量が少ないし、特別に難解と言うこともない。
恐らく「古典」とか「原点」と言われている本の中でも意外に読みやすいものはあって、読書が苦手な人はそういう本を選べばいいのかも知れない。

で、読んでさっそく「おっ」と思ったのは、内容が先日読んだ古典仏教『スッタニパータ』に似てることだ。
『方法序説』でデカルトは、現在自分が信じていること、確信していること、常識だと思ってることは、すべて前提が怪しいものとして疑うべきだ、というように説いている。
愚者は自分が学んだこと、経験したこと、直感したことを無前提に信じる傾向があり、そして過ちを犯す。
だから愚者が少しでも賢者に近づきたければ、自分が現在信じていること、採用している考えをすべて否定し、すべてを捨て去る覚悟で望まなければならない。
・・・と、いうようなことをぼくは『スッタニパータ』から学んだつもりだったのだが、同じようなことが『方法序説』にも書いてあったのだ。

まぁ、それはブッダとデカルトが似てると言うより、ぼく自身が「愚者の典型」であっただけのことかも知れない(笑)。
いずれにしろ、ぼくは「非人称芸術」というものを無前提に信じ過ぎていたので、この点は反省しなければならないだろう。

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コメント

デカルトの論理は数学みたいなものなので感覚的なあいまいさはありませんね、そういう意味では分かりやすいのですが、人間は感覚でしか外界を認識できないことを無視するプラトン主義の枠組みからは一歩も外に出ていないわけで、デカルトは自分の思考の枠組みそのものが矛盾を排除していることに気がついていなかったのだと思います。

要するにデカルトは最後のところは神様に依存して逃げちゃったわけで、それを後にカントが整理しますが、それ以降の思想家にとってはデカルトはプラトン主義の欠点を明確にした功労者でしょうね。

演繹法の論理は複数の前提からの必然性で結論を導きますから、前提が正しいことが絶対条件です、ところが前提の正しさを証明する論理はありません、ともかく数多くのサンプルで整合することを確かめる帰納法しかないわけですね。


デカルトが「前提を疑え」と言っているのはそのことのはずで、理論の誤りは必ず前提の誤りなのですから当然のことです。

理論の正しさを簡単に確かめる方法は「反証」です、つまり、ひとつでもその理論が成り立たない実例を実証できればその理論が間違いを証明できるということです。

養老さんの分かりやすい説明を拝借すれば、筑波山にはギフチョウはいないということを証明するには徹底調査が必要ですが、一匹でもギフチョウがみつかれば否定できるということですね、デカルトがともかく全てを否定から考えてみようとしたのはそういう意味だったはずで、それでもどうにも否定しようがなかったのが「考えている自分がいる」ということだったということですが、養老さんは考えてないときには自分はいないだろう・・・と(笑)

科学信者はだいたいデカルトと同じところで思考停止しているのですよね。

投稿: 遊星人 | 2010年4月13日 (火) 21時55分

プラトン主義って何だっけ?と思って検索したらわかりやすくまとめたページがありまして、便利な時代になりました。

プラトン
http://contest2007.thinkquest.jp/tqj2007/90375/platon.html
ネオプラトニズム
http://contest2007.thinkquest.jp/tqj2007/90375/neoplatonizm.html

『方法序説』が現代にも通用する新しさを持っているのはまさに「方法」においてですね。
「我思うゆえに我あり」とか、神についての考察などは現代の視点からは古いですが、それは方法の「結果」であって、「方法」それ自体は有効であり、つまりは「愚者にならないための基本」です。
ということで、自分がオロカモノであったことを、じっくり味わいながら反省してますw

投稿: 糸崎 | 2010年4月14日 (水) 09時54分

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