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2010年11月17日 (水)

真似したくなるのが良い写真・他

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昨日は長野から美大の先輩の宮田さんが上京されて、市ヶ谷の土手で虫の撮影をした後、水道橋のアップフィールドギャラリーで田村玲子写真展「場所にて」を一緒に見に行った。
田村玲子さんの写真展は山方伸さんのブログに紹介してあって、彼が紹介するくらいだからきっと良い写真に違いない、と気になっていたのだ。
http://d.hatena.ne.jp/blepharisma/20101108

田村さんの写真は近代的な建物を写したものだが、どこの何の建物を写したのかはハッキリ分からず、その意味では抽象度の高い写真だった。
どの写真も曇り空のフラットな光で、カメラを垂直水平に構えた端正な構図で、クールな印象。
まぁ、評論する語彙が乏しくてもどかしいのだが、真似て撮りたいと思うくらい、良い写真だった(笑)
ただ、田村さんの真似をするには同じように無機質な場所を探し出す必要があり、その意味で「場所」によって創り出される作品だと言えるだろう。
ぼくは今のところ場所にこだわらず「どこでも写真は撮れる」と言うつもりでいるが、もしかすると田村さんの写真にあるような場所に出会ったら、田村さんの写真を思い出し、真似て撮るかも知れない。

そのあと新宿のコニカミノルタプラザに行ったのだが、3つやってた写真展のうち島内治彦写真展「お城が見える風景〜姫路城〜」がなかなか面白かった。
どの写真にも必ず姫路城が写っているのだが、たいていは端っこに小さく写っているだけで、どこに姫路城があるのかすぐには分からない。
言ってみればちょっと「ウォーリーをさがせ」的な面白さがあるのだが、それ以前に「写真」としてきちんと完成度を上げているので見応えがある。
田村玲子さんの「場所にて」が玄人好みの素人には分かりにくい写真なのに対し、島内治彦さんの撮る姫路城は、玄人にも素人にも楽しめる写真ではないかと思う。
と言うか、「反ー反写真」を始める以前の自分だったら、田村さんの写真は絶対に理解できず、島内さんの写真だけを良いと思ったはずである(笑)

さらにそのあと新宿御苑近くの蒼穹舎で、村越としや写真展「雪を見ていた」を見ていたのだった。
村越さんの写真展は、大きなフレームに小さな正方形の写真を入れ並べてあったのだが、印象的で良かった。
以前、ある写真家が写真を小さくして展示したところ「もっと大きければいいのに」と言われていたのとは対照的に、村越さんの写真は小さいままで実に「決まって」いた。
どこが違うのかと思って考えるとある写真家・・・まぁ山方伸さんなのだが(笑)、彼の写真は緻密な描写が特徴だったのに対し、村越さんの写真はディテールよりも印象が優先しているからなのかも知れない。
実際、会場にいた村越さんに伺ったところ、写真のイメージの「白」と、額のマットの白と、会場の白い壁のイメージを調整しながら大きさを決めたのだそうだ。
ぼくはこれまで額装とか展示空間をあまり考えてこなかったので、そう言う話は参考になる。

それから隣のプレイスMの写真も見て、そのあと宮田さんの計らいで美大の同級生と待ち合わせし、実に学生時代以来の再開を果たし、久々に飲み過ぎてしまったw
20年以上ぶりに会った同級生は、顔や物腰は確かに彼のものであったけど、仕事やその他のキャリアを積んで「別人」になっているわけで、何だか彼の叔父さんにでも会ってるような、不思議な気分がした。
そのうち、彼の表情の癖などが、ぼくの別の友人に似ていることに気付き、そうなるとさらに一体何が何だか、アルコールも入ってるしますます分からなくなってしまうのだった(笑)

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