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2010年12月30日 (木)

「孫子」から学ぶ「自分」分割法

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苫米地さんの本を読んで良かったのは、その後に読んだ岩波文庫『孫子』の素晴らしさが際だって実感できることだった(笑)
まさに雲泥の差以上で、長い歴史を生き残ってきた書物には、それなりの理由があり、適当に書き散らかした新書とは比較にならない。
ということで「古典は良いよ」と複数の友人から教えられたので、たまたま古本で売ってた『孫子』を読んでみたのだった。
これは戦争の仕方について書かれた本なのだが、読んでみると非常に普遍性のある内容で、だからビジネスにも応用できるのだ。

しかし戦争は軍隊という組織で行うものなので、『孫子』に書かれていることを個人で応用するには、「ひとつの自分」に固執せず、「自分」を複数に分割する必要がある。
つまり自分一人で戦わず、自分を分割し増殖させ、大群を組織化して戦うのがビジネス必勝の極意なのである(笑)。
まぁ、大人数に分割するのは無理としても、『孫子』に書かれたことに従い「君主」「将軍」「兵士」の3つには分割できるかも知れない。
逆に言えばぼくはこの3つの要素が未分化で、そう言う状態ではビジネスの世界でこの先生きのこることはできないのである。

「自分」を分割するのは難しそうだが、そもそも自分は肉体的には複数の臓器からなり、さらに無数の細胞からなっている。
クラゲやプラナリアのような原始的な多細胞生物は、細胞ごとの機能が未分化で(各細胞が同じような働きをし)、だから動きが鈍い。
しかし鳥類や哺乳類のように進化した多細胞生物は、細胞ごとの役割がより分化し、細胞で構成された臓器の機能も分化し、それらの異なる要素が協調し合って「ひとつの身体」を形成し、素早く正確な動きを実現する。
人間の組織の場合も同じであり、群衆がただより集っている状態は、クラゲのようにただ右往左往するだけである。
だから国家は「君主」「将軍」「兵士」などの役割に分割されて、素早く確実に軍事行動ができるのである。
同様に「自分」の精神や意識も「ひとつの自分」として未分化のままでは、クラゲのようにボーッとしたままなのだ。
いや、クラゲと人間の精神は比べものにならないとしても、軍隊のように素早く確実に判断し行動することは難しいかも知れない。

さて、「君主」とは国家の主であるので、「自分」に例えればこれは「自分」だと言えるだろう。
同義反復になってしまったが、「君主」が理想の国家をイメージすることで国家が発展するように、「自分」が理想の自分をイメージすることで自分は発展するのである。
「自分」が現状に満足するなら理想の自分をイメージする必要もなく、ビジネスで独立する必要もない。

君主がイメージする理想を実現するために、戦争を実行するのは「将軍」の役目である。
孫子によれば、真に優秀な将軍は実際の戦闘に先立ち「情報」の収集を徹底的に行うのだと説いている。
正確な情報を仕入れておけば、戦う前に勝つことは分かるのであり、そのように勝ちが分かっている戦争以外は仕掛けないのである。
またその逆に不正確な情報によって戦うことを、孫子は戒めている。
例えばただ感情的な勢いだけで戦いを仕掛けたり、戦争のゆくえを占いで判断したりすると、必ず負けると説いている。

さらに、君主は将軍を信頼して戦争のことは一切に任せ、君主自身が戦争に関与してはならない、とも説いている。
つまり孫子は、理想的なイメージを持つ君主が戦争に関与することを戒めているのだ。
君主がイメージによって国家を発展させるのなら、将軍は戦争に勝つためにイメージを一切排除し、冷徹に「現実」を見据えて判断しなければならない。
そのような「役割分担」が勝利をもたらすのである。
だから「自分」を「君主」と「将軍」に分けると言うことは、「理想をイメージする自分」と「現実的に判断する自分」を分けるということであり、これらの意識がごっちゃになっているとビジネスでは勝ち残れないのである。

次に「兵士」だが、孫子は将軍の命令を絶対的なものとして守るべきだと説いている。
兵士は将軍の命令にただ従って行動すればいいのであり、作戦全体の意味や、自分の行動の意味を知る必要はないのである。
もし、前線の兵士が自分の勝手な判断で行動したら、軍全体の統率が乱れて戦争に勝つことができない。
真に優秀な将軍は兵士から絶大な信頼を得ていて、だからこそ兵士を自由に操り戦争を勝利へ導くことができるのである。
「自分」から「兵士」を分割すると言うことは、「実務に没頭する自分」を分けるということであり、一度やると決めた実務は迷わず実行しなければならないのである。
もし迷うなら「将軍」として情報を収集して判断すべきであり、目先の状況に惑わされて感情やイメージで判断してはいけないのである。

以上、ぼくとしては何一つ実行できていないのだが、理屈として辻褄の合うことを書いてみました(笑)

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