味の道くさ
正月の長野市滞在中、昼食を食べに権堂の「いむらや」へ行ってみた。
なんと言うこともない中華屋なのだが、安いので学生時代に帰省した時など友達と入った記憶がある。
特に美味くはないが、独特の味わいがあったような気がして、それを改めて確認したくなったのだ。
で、以前の記憶を頼りに「焼きそば」頼んでみたのだった。
パリパリのかた焼きそばで、並盛りで500円。
それが大盛の量で出てきたて、ちょっと驚いてしまった。
で実際の味だが、自分の好みとしてはちょっと甘ったるい味付け。
さらに味わいながら食べ続けると…どうも釈然としない…と思ったら、ほとんど調味料の味しかしない。
具材は白菜、インゲン、キクラゲ、肉も少々などいろいろ入ってるのだが、具材固有の味がほとんどしないのだ。
麺もバリバリした歯応えだけで小麦粉の味がしない。
そして何しろ量が多く、そして量も味のうちだとすれば、これは思った以上に手強い相手である。
けっきょく完食したのだが、なにしろ味がないというか単調なので、大量の水道水を飲んだみたいな感じである。
恐らくこの焼きそばは、焼きそばの「実在」ではなく、焼きそばの「概念」なのかもしれない。
だから概念的には満腹のはずなのだが、心は満たされず空洞のままで、満腹なのにどうも腹が減っているのである。
恐らくニッチ(生態的地位)としてはサイゼリアに近く、ぼくもサイゼリアはよく行くのだが、概念の満腹とは生きる上での「実用」なのである。
と言うわけで、美味しいものもそうでないものにも固有の「味」がある。
そして、店の外観や内装などを含め、トータルで味わうのが真のグルメ道ではないかと思うのだ。
ちなみにこのような店内で…
あらためて隣を見るとフーゾクだったりして、味わい深すぎる…
個人的にはまた行ってみたいと思うお店です(笑)
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コメント
厨房の中がよく見えるカウンターとかで注文したら、堂々と「味覇」を使ってたり、ラーメンの丼に化学調味料を山盛り投げ込むのを見たりすると帰りたくなりますが、度胸がないので仕方なく麺と具だけ食べてスープを残して悲しく帰ったりします。
化学調味料の後味の悪さはアミノ酸を安定保持するためにナトリウム化合物になっているせいでしょうね、ナトリウムイオンのたまらない刺激がひかひかと口に残る・・・、んで、それが胃に入ると胃酸と反応して塩化ナトリウムを追加したのと同じになるので胃袋が浸透圧の高さに反応して悲鳴を上げて気持ちが悪くなります。
そういう店の料理はたいてい素材の味がしませんが最初に口に入れたときのインパクトは強烈だったりするので、気持ちが悪くなったことは忘れてまた騙されてみたくなったりしますね、そういう悪リピートは食い物ぐらいにとどめておきたい(笑)
投稿: 遊星人 | 2011年1月11日 (火) 22時19分
恥ずかしながら「味覇」知らなかったんですが…検索するとずいぶんと評判が良いですねw
今考えるとこの店はウェイパァー的なものがほとんど足りてなかったような?
化学調味料は取り入れると眠くなって仕事にならない、と指摘する友人もいます。
そう言えばサイゼリアで食後に本を読もうとすると、必ず眠くなるような気も…
投稿: 糸崎 | 2011年1月12日 (水) 02時30分
いいですね~、散歩したくなってくる。
投稿: ロレックス修理 | 2011年2月 4日 (金) 16時28分