ツギラマは四角くなくなくてもいい?
写真は四角くなくてもいい!
と思って撮ったツギラマだが・・・
やっぱ四角くなくなくてもいいかも?と思い四角くしてみた・・・・
最近、ぼくは中国やギリシアの古典をいろいろ読んでいて、文明の「基本」と言うことに興味がある。
そのような「基本」を重んじる感覚で考えると、「四角」とは芸術の基本である以前に文明の基本なのであって、簡単に否定していいものだろうか?ということにあらためて気づくのだ。
加工したツギラマは文明の基本に沿って「四角」を受け入れてはいるが、しかし相変わらず「一点透視法」は否定している。
ツギラマに一点透視法まで取り入れてしまったら、それは単なる「写真」になってしまうからだ。
それに基本と歴史を重んずる感覚で考えてみても、「一点透視法」も絵画の基本のひとつではあるが、「四角」に比べると格段に歴史が浅くそれだけに重要度は低いと言えるのだ。
その証拠に印象派以降「一点透視法」を捨てた絵画はいくらでもあるが、しかし平面でありながら「四角」を捨てた絵画というのはほとんど無いのである。
ぼくはそのように「四角を重んじる風潮」に反発するために、「四角」を否定したツギラマの技法を採用した。
しかしその態度は、オルテガが指摘する「反何々」のパターンにはまっていて、結局のところ「四角とは何か?」をよく知らないまま「四角」というものを否定しているに過ぎないのだ。
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コメント
ツギラマの端っこを裁ち落とすのは、フランス料理のようにひらめのエンガワを捨てちゃうのと同じ。
どうせ額縁に入れたら四角くなりますし、その余白は日本人的にはOKでは?
ところで、額縁ってだいたい四角ですね。まれに丸い絵もありますが。
投稿: ふ | 2011年3月 5日 (土) 22時14分
僕も上の方がよいと思う。下のはツマラない。角を矯めて牛を殺した感じ。
投稿: schlegel | 2011年3月 6日 (日) 08時57分
>ふ さん
>ツギラマの端っこを裁ち落とすのは、フランス料理のようにひらめのエンガワを捨てちゃうのと同じ。
「エンガワ」って概念は面白いですねw
ツギラマにはエンガワがあって、実はフィルム写真にもエンガワがありますが、デジタル写真にはありません・・・
>ところで、額縁ってだいたい四角ですね。まれに丸い絵もありますが。
絵画の歴史は壁画にあって、ラスコーの洞窟とか、教会の内部に描かれてたりするので、必ずしも「四角」でも「平面」でもありませんでした。
額縁の起源は窓枠にあって、壁画に対して「持ち運びができる絵画」というのが発生の理由です。
絵画が四角ければ持ち運びも楽ですし、整理や保存も楽で、流通にのせることも楽です。
壁に固定してしまえば、絵は(写真も含め)四角くなくても良いのかも知れませんが、それ以外のさまざまな理由が「絵が四角であること」を支えているわけです。
四角くない絵画は、フランク・ステラの「シェイプトキャンバス」が有名ですね。
http://www.google.co.jp/images?hl=ja&client=firefox-a&hs=FR4&rls=org.mozilla:ja-JP-mac:official&q=shaped+canvas&um=1&ie=UTF-8&source=univ&sa=X&ei=3O9yTfunD4eavAOH3_S9AQ&ved=0CDMQsAQ&biw=1598&bih=1047
>schlegel さん
>僕も上の方がよいと思う。下のはツマラない。角を矯めて牛を殺した感じ。
ツマラないとツギラマはちょっと似てるw
実のところぼくもどっちが良いのかよく分かってないので、さらにいろいろ試してみます。
投稿: 糸崎 | 2011年3月 6日 (日) 11時41分