実家で読んでた本
しばらく実家の長野市に行ってましたが、そこで読んでた本。
まずは母親に「どうしても読め」と薦められ仕方なく読んだ『潜在意識を変える 数霊の法則』・・・
作者の「吉野内聖一郎」の名前で検索して出てくるページを見ればどういう本かだいたい分かると思うのだが、
http://www.voice-inc.co.jp/content/goods/410
世の中に良くもこんな酷い本があったもんだと思うくらいの内容で、人のことを騙すんだったらもうちょっと巧妙にロジックを組み立てた方が良いと思ってしまうのだが、騙されやすい人に対してはかえって小細工などせずに、口から出任せをただ並べただけの方が、かえって分かりやすくて説得力を持つのかも?などと思って別の意味でベンキョーになるw
それとこの類の本は作者は違えど「数霊」とか「五次元」とか「宇宙意志」とか同じことが書いてあって、どうせお互いにパクリ合いをしてるんだろうけど、そうすると「どの本にも同じことが書いてあるから本当なんだよ」と騙される人は信じてしまう。
そりゃ、ぼくもプラトンとブッダと孔子が似たようなこと言ってて「なるほど」と感心することはあるが、それとこれとはまさに次元が違う。
母親も良くもまぁ、見事に同レベルのインチキ本ばかり選択すると思うけど、こういう本はどれも「悪い波動」が出てるのであり、似たような波動を持つものを惹きつけるのかも知れない。
ぼくなんかは読むだけで気分が悪くなり、良い本を読んで乱れた波動を整えたくなってしまうw
母親は子供の頃「勉強しろ」とかなりガミガミ言って、ぼくはその期待に応えられずにコンプレックスになっていたのだが、その母親がこんなにバカだったとは、自分自身のバカさ加減にほとほとあきれてしまうwww
次に読んでたのが、高校3年生の甥っ子の現国の教科書(「探求現代文」桐原書店)なのだが、これが非常に面白くてハマってしまった。
小説や詩のほか、現代思想の論文も収めてあって、内容も教条主義的ではなくポストモダン的に考えさせるもので、深刻で根源的な問題を扱っていたりして、これをがっつり読めばかなり頭の良い高校生になれるだろうw
以前、甥っ子に見せてもらった「倫理」の教科書は内容は「思想史」だったが、この国語の教科書はちゃんと「思想」になっていて、そう言うこともちゃんと教えてるんだとあらためて感心してしまった(実際の現場は知らないが)。
以前のブログに、この教科書に丸山眞男が載ってて驚いたと書いたけど、ほかにも村上陽一郎、小浜逸郎は好きで影響も受けてた。
しかしそれ以外はほとんど読んだことはなく、読もうと思ってまだ読んでなかった作者とか、名前も知らない作者とか、そう言った人の文章が一編ずつ読める本というのも、頭の刺激になってなかなか面白い。
それにしても、あらためて全部読もうとすると思想の論文に比べ文学や詩がどうも苦手で、内容が読み取れずについ眠くなってしまう。
で、それはどういうことなのか?ということが最後に掲載されている尼ヶ崎彬『こころとことわり』にちゃんと書いてあって、妙に感心してしまったw
そして手島郁郎の本がたくさん・・・これはまだ冊子『生命之光』をちょっと読んだだけ。
実は昨年キリスト教の『聖書』を読んだら内容がほとんど分からず、かといって解説書がいろいろありすぎて迷っていたら、彦坂尚嘉さんが「手島郁郎が良い」とアドバイスしてくれたのですが、普通の本屋では今ひとつ売ってない。
と思っていたら、妹の旦那のお父さんが、手島郁郎が創立した無教会系キリスト教「幕屋」の信仰者であることが判明し、さっそくお話を聞きに行って本屋冊子もいろいろいただいてしまったのだったw
実際に読むと、手島郁郎の言葉はなかなか力強くて惹かれるものがある。
手島郁郎が目指した「原始キリスト教」の時代は立派な教会があるはずもなく、それは「原始仏教」の時代に立派なお寺があるはずもないのと同じで、そのように歴史をさかのぼる思考は日本人には珍しい「箒型(ササラ型)」であって、かなりがっしりした「骨」があるように感じられる。
これはもう、自分もクリスチャンになるしかない・・・と簡単には思えないけどw、「芸術とは何か?」は「宗教とはなにか?」ともつながってるわけで、その方面の研究はだいぶはかどるのではないかと思われます。
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