« 「やさしさ」と「正しさ」 | トップページ | ねこのおうち »

2011年12月16日 (金)

正直者と金儲け

正直者は金儲けが下手、と言われるのは、金儲けが本質的にウソに根ざした詐欺的行為だからかもしれない。
例えばミカンを「リンゴ」や「ナス」だと言えばウソになるが、ミカンを「10円」だの「100円」だのと偽るウソは世間でまかり通っている。

正直者は、例えば自分が栽培したミカンを正直に「ミカン」だとしか言うことができず、それを「10円」だの「100円」だのと偽ることができない。
そのくせお店で売られている100円のミカンに対し、「ミカン=100円」が真実であると簡単に錯覚し騙されてしまう。

しかしお金に限らず、人類に普遍的な「交換」そのものが、本質的にウソに根ざした詐欺的行為なのかもしれない。
例えば「ミカン」という言葉は「本物のミカン」とは似てもにつかないが、われわれは何の疑問も持たずにそれら(存在物と言葉)を交換するという詐欺的行為を繰り返す。

以上のように考えると、人間の知性の本質とは、ウソをつき詐欺的行為を働くことにある。
それが「言語」の機能であり、その意味で<象徴界>とは「ウソをウソとして認める領域」と言えるかもしれない。
また人間の<想像界>は、「ウソをウソとして認めること」を忘れることで、発生すると言えるかもしれない。

人間の本質的な詐欺的行為(言語機能)と、犯罪としての詐欺の違いは、詐欺の「程度」の違いだけなのかもしれない。
人間は本質的に詐欺師でお互いがカモなのだが、ある閾値を超えた者は「詐欺師」として糾弾され、あるいは「被害者」として救済される。

人間は詐欺能力において他の動物から抜きん出ているのであり、猿から人への進化とは、詐欺能力の進化だと言えるだろう。
旧人は原人を上手く騙してこれを討ち滅ぼし、新人(現生人類)は旧人を上手く騙してこれを討ち滅ぼし、現在の繁栄に至っているのかも知れない。

|

« 「やさしさ」と「正しさ」 | トップページ | ねこのおうち »

思想・哲学・宗教」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 「やさしさ」と「正しさ」 | トップページ | ねこのおうち »