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2012年3月 5日 (月)

高松次郎の『影』

高松次郎

高松次郎たかまつ じろう昭和11年(1936年2月20日 - 平成10年(1998年6月25日 )は、前衛美術現代美術家。本名は新八郎

経歴

東京都に生まれ、1954年東京藝術大学絵画科(油画専攻)に入学。在学中は小磯良平に師事した。卒業後の1958年より第10回読売アンデパンダン展へ作品の出品を開始し、以後59、61、62、63年に出品している。はじめ前衛芸術に傾倒し、中西夏之川仁宏らと共に、有名な「山手線事件」というハプニングを行った。また中西、赤瀬川原平らと芸術集団ハイレッド・センターを結成し、数多くのパフォーマンスを実践した。

作品はインスタレーションから絵画彫刻壁画写真映画にまで様々なスタイルに至り、多くの作品が抽象的かつ、反芸術的な色合いが濃いもので、実体の無い影のみを描いた作品「影」シリーズが脚光を浴び、石や木などの自然物に僅かに手を加えただけの作品、遠近法を完全に逆にした作品など、あえて「思考させる」「思考する」ことにより、作品と世界との間に新しい関係を作りだすことに成功し、1960年代以降の日本におけるコンセプチュアル・アートに大きな影響を与えた。

しかし80年代に登場する「形」シリーズからは作品に飛躍的な展開が見られ、平面空間に線、面、色彩が溢れるようになる。高松は62歳で亡くなるまで20年間以上三鷹にアトリエを構え、病に倒れた後も亡くなる直前まで、このシリーズを追求し続けた。

1968年より多摩美術大学専任講師を務め、1972年から1974年まで東京藝術大学にて美術学部油画科非常勤講師を務めた。

主な作品

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高松次郎《赤ん坊の影 No.122》182.0×227.0cm,ラッカー・キャンバス,1965,豊田市美術館蔵

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高松次郎 『No.273(影)』 昭和44年作 東京国立近代美術館所蔵

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高松次郎《影》1977年 国立国際美術館

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ちなみにこのトップページに載せている作品の影、 誰の影だか分かりますか?

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そんな高松さんの影のシリーズが名古屋にある、ということで探してきました。 タイトルに名古屋駅とあるのですが、 JRではなくて地下鉄桜通線名古屋駅にて発見しました。 なんと全長約60mの大作!

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高松次郎《影(母子)》1964年 滋賀県立近代美術館 114.0×92cm

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影 1978年 アクリル・画布 97.0×130.0

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高松次郎 -<影>の絵画とドローイング-
■会期 1999/10/21(木)~ 1999/12/05(月)(40日間)
■主催 国立国際美術館

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