観察と即断
初めて見るものに対し、時間を掛けて観察しながらそれがなんであるか認識する態度と、「興味が無い」「無関係」「嫌い」などと即断して認識する態度とがある。
人間は十分に観察し、調査し、慣れ親しんだものを好きになるが、その手間を省いたものに対しては無関心、無価値、嫌悪などの感情を向ける。
自分に分からないものは価値がなく、意味がなく、興味もなく、だから嫌いで、そのような判断は瞬時になされる。
自分が理解できないものを、無価値、無関心、嫌悪、のバリアーによって徹底して排除すれば、自分が理解できるもの、慣れ親しんだもの、好きなもの、だけで世界を構成する事ができる。
分からないものを「分からない」と判断の保留をつけることができずに、何でも既知のカテゴリーに押し込んで即断する人がいる。
日頃から状況をよく観察しながら、いざという時に即断する人と、日頃から何も観察せず、いざという時に熟考し手後れになる人とがいる。
日頃から何も観察せず、あらゆる事物について概念的に即断する人と、日頃からあらゆる物事を観察し、いざという時のみ即断する人がいる。
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