『ファスト&スロー』メモ
ダニエル・カーネマン著『ファスト&スロー (上): あなたの意思はどのように決まるか?』を読みながら、抜き書きや思いつきのメモ。
多くの場合、人は合理的思考と連想とを混同している。
連想的思考は夢の思考でもあり、だから人は目覚めてもなお夢の中にいると言える。
認識世界は連想によって構築される。
認知容易性は人を幸せにする。
認知容易性は人々の万能感を満たす。
原因と結果が混同される多くの場合、それらの要素はそもそも因果関係になく、相関関係だけがある。例えば、気分が良ければ笑顔になるし、あるいは無理にでも笑顔を作れば不思議と気分が良くなる。
だから「原因と結果」という思い込みに逆らい「その逆」を試みる事に価値がある。
特定の体験がその後の判断の基準となり、その様にして人は過去の記憶にいつまでも縛られる。
連想は文脈を飛び越え、人に錯覚に与える。
多くの人にとって、子供から大人になるに従い、世界は説明不要な物事で埋め尽くされてゆく。
説明不要の範囲が拡大すると、その人の支配圏も拡大する。
断片的情報が連想によりつなぎ合わされることにより、もっともらしいストーリーが作られ、あたかも合理的思考の様に振る舞う。
因果関係の「印象」に人は心を奪われる。
システム2が他の事にかかり切りの時は、私たちはほとんど何でも信じてしまう。(ダニエルカーネマン)
システム1は騙されやすく、信じたがるバイアスを備えている。疑ってかかり、信じないと判断するのはシステム2の仕事だが、しかしシステム2は時に忙しく、だいたいは怠けている。(ダニエルカーネマン)
実際、疲れている時やうんざりしているときはか、人間は根拠のない説得的なイメージ、例えばコマーシャルなどに影響されやすくなる、というデータもある。(ダニエルカーネマン)
連想記憶の働きは、一般的な「確証バイアス」を助長する。(ダニエルカーネマン)
偽の一貫性、偽の合理性、夢のような現実の中で、人はそれらに惑わされる。
手元に無い資料は、自分の手元のみならず、この世に存在したいものと判断され、そうして自分以外の他者の存在が、認識世界から消え去る。
情報収集せずに、限られた情報のつじつま合わせに走る人たちがいる。
自分が見たものがすべてであり、見えないものは存在しない、と認識の省略が行われる。
どれだけソースが不足しようとも、人は辻褄のあったストーリーを信じる。
情報が少ない方が、都合良くつじつまのあったストーリーを作りやすい。
情報が多いと現実の複雑さを前に人は自信をなくすが、反対に情報が少ないほど自信に満ちる。
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