開かれた系と他者
『歴史は「べき乗則」で動く』を読みながらメモ書き。
歴史物理学。物理は歴史と通底している。物理的変化とは歴史的変化であり、歴史的変化とは物理的変化だった。
複雑系物理学。非平衡系物理学。世界が実験室のように閉じられた系ではなく、開かれた系だと言うことは、つまりは「他者」が存在すると言うこと。「自分」という閉じられた系の外部に様々な他者たちが存在する事で、物理現象も歴史も、予測不可能な方向へと変化する。
未来がわかり得ない事と、他者の心がわかり得ない事は意味が同じ。自分に分かり得ない他者たちの心によって、未来は予測不可能な方向へと進んでゆく。他人の心を読むのが上手い人は、未来をうまく予測できるはず。
歴史は繰り返されず、だから未来は予測できない。
世界から戦争がなくならないのは、自分には全く知り得ずかつ自分と全く異なる心を持つ「他者」が存在するから。つまり世界が「開かれた系」である限り戦争はなくならない。戦争をなくすには世界を閉じた系に変える必要があり、そのためには他者排除のための戦争が必要になる。
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