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2013年11月 3日 (日)

直接的不幸と間接的不幸

山本七平『日本はなぜ敗れるのか』 http://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/404704572… を読み終えたが、この本の締めは「日本人には自由がない!」だった。
日本人には自由がない、かわいそう!日本人は自由を求めない、かわいそう!

人は誰でもいつか必ず死ぬ、という不幸を負っているが「自分だけは死なない」と思いなし幸福感に包まれて生きる人は幸福か?
不幸か?
どちらとも取れるようだが「それこそが不幸だ」と解釈することで見えてくるものがある。
その一つが「平等」であり、これによって「自分だけが不幸だ」という思い上がりが是正される。
しかしそれは見方の一面だけでしかない。
別の見方をすれば、以前の自分の感覚を思い出せばわかる通り「自分だけは死なない」と思いなし、自分が死ぬ可能性を心の底から実感できず、その意味での不幸が存在しない人間は、やはり幸福なのだ。
幸福と不幸の不平等性は確かにある。

不幸には、間接的不幸と直接的不幸との二種類がある。
例えば学校や職場で虐められる人の不幸は直接的不幸であり、直接的であるがゆえに状況が変われば一挙にいじめる側へと反転し、不幸を脱し幸福を得る可能性がある。

直接的不幸は状況に依存しているのであり、だから人々は幸福を得るための状況を作り出すことに躍起になる。

社会とは人々の直接的な不幸を解消するためのシステムであり、その第一の目的は食物の分配による餓えの解消にある。

たとえ空腹が恒常的に満たされ、直接的不幸が解消されようとも、誰もがやがて死を迎えるという問題は解消されず、それが間接的不幸である。
間接的不幸は状況に左右されない絶対的不幸であり、誰も逃れることはできない。

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