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2013年12月

2013年12月19日 (木)

写真は平面である、というのは一般常識ではありますが、しかし1826年にフランスのニエプスニによって写真が発明され、同時代の1930年代にイギリスのホイートストーンによって人間の立体視に関する理論が発表され、それはすぐに写真に応用され、ほどなく立体写真の一大ブームが巻き起こり、つまり19世紀の常識では写真は平面であると同時に立体でもあったのです。

しかし結局のところ立体写真は廃れ、平面写真が主流となるのですが、その原因の一つに立体写真はステレオスコープなどの装置を覗かなければ立体として鑑賞できない、という煩わしさがあったのです。

そして、時代は変わって現代になり、新しいステレオ写真の鑑賞方が生まれたのですが、それがGIFアニメによる表示です。
立体写真の左右の写真を、アニメーションとして交互に表示させると、その微妙な視差によって立体に見えるのです。
この方法の利点は、ステレオスコープなどの装置を覗かなくとも立体に見えることで、欠点は動かないはずの写真がピクピクと動いてしまう事で、それが面白いとは言えますが、不自然であることに違いはないのです。

http://cool-mo-dee.blogspot.jp/2008/09/3d-stereograms-as-animated-gifs.html?m=1

http://m.huffpost.com/us/entry/1233351

http://boingboing.net/2012/01/30/stereogranimator-transform-hi.html

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2013年12月18日 (水)

立体写真と平面写真

目の前の現実を写真に写し取ることと、「写真」を撮ることは異なる。

現実の代替物として写真を撮ることと、「写真」を撮ることは異なる。

写真には平面写真と立体写真との二種類がある。


立体的な平面写真と、平面的な立体写真とがある。
きちんと作り込まなければ、平面写真も立体写真もともに平面的になる。

よく整えられたものは立体的に立ち上がり、混乱したものはベタッとした平面になる。

平面写真を平面として見る人と、平面写真を立体的に見る人がいる。

何事も要素に分けることができれば立体的になり、それができなければベタッとした平面になる。

現実が平面で、写真が立体なのである。
何故なら、現実が立体的に見えるのは視点移動による錯覚の産物でしかなく、良い写真は視点移動がなくとも立体的に見えるから。

写真は平面ではない、という意識で撮られた写真と、写真は平面である、という意識で撮られた写真とがある。

写真は平面である、という意識を捨てなければ写真の良し悪しを判断することはできない。

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2013年12月13日 (金)

進化と写真

カメラかいかに進化しようとも「写真」は進化しないしさせてはならない。

カメラメーカーはカメラを進歩させようとするが、写真家は写真を進歩させようとしてはいない。

カメラメーカーが作るデジカメと、家電メーカーが作るデジカメがあるように、写真家が撮る写真と、美術家が撮る写真とがある。

ぼくが見たところによると、カメラメーカーが作るデジカメと、家電メーカーが作るデジカメは、本質的には違いが無いように思える。
むしろ、家電メーカーの方が後発なだけに頑張ってカメラの本質を突いた製品開発をしてるように思えるし、カメラメーカーもそれに応戦しているように思える。

カメラメーカー同士が(イマドキは家電メーカーも含め)戦いながら切磋琢磨しているのに対し、写真家同士が果たしてそういう関係にあるのか・・・

急速に進歩する技術、ゆっくりと進歩する技術、変わらない技術のそれぞれに価値があるように、急速に進歩する写真、ゆっくりと進歩する写真、変わらない写真のそれぞれに価値がある。

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