立体写真と平面写真
目の前の現実を写真に写し取ることと、「写真」を撮ることは異なる。
現実の代替物として写真を撮ることと、「写真」を撮ることは異なる。
写真には平面写真と立体写真との二種類がある。
立体的な平面写真と、平面的な立体写真とがある。
きちんと作り込まなければ、平面写真も立体写真もともに平面的になる。
よく整えられたものは立体的に立ち上がり、混乱したものはベタッとした平面になる。
平面写真を平面として見る人と、平面写真を立体的に見る人がいる。
何事も要素に分けることができれば立体的になり、それができなければベタッとした平面になる。
現実が平面で、写真が立体なのである。
何故なら、現実が立体的に見えるのは視点移動による錯覚の産物でしかなく、良い写真は視点移動がなくとも立体的に見えるから。
写真は平面ではない、という意識で撮られた写真と、写真は平面である、という意識で撮られた写真とがある。
写真は平面である、という意識を捨てなければ写真の良し悪しを判断することはできない。
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